年の瀬にあたって

2023.師走

猛烈な暑さに見舞われた夏、短かった秋、そして季節は進み、厳しい冬に。何とも目まぐるしかった令和五年も残りわずかとなりました。 

今年も読売新聞をご愛読いただき誠にありがとうございました。 

皆様にとって令和五年は、どんな年だったでしょうか。悲喜こもごも、きっと色々なことが思い出されるのでしょうね。 

新年は箱根駅伝で幕が明け、駒澤大の圧倒的強さと寒風の箱根路をひた走る若武者たちの勇姿に希望をいただきました。 

三月に行われた野球のWBCは、日本中が興奮と熱狂に包まれ、特に準決勝、決勝で大谷翔平選手が見せた燃えるような闘志には、感動を超えた感動がありました。栗山ジャパンには心から「ありがとう!」を伝えたいと思います。 

十月には、将棋の藤井聡太竜王が前人未到の八冠制覇を成し遂げ、日本中が沸き返りました。大谷翔平と藤井聡太は、神が使わせし『野球の申し子』であり『将棋の申し子』なのでしょうね。 

明るいニュースの反面、暗いニュースも少なくありません。泥沼化するウクライナ戦争に加え、またまた起きてしまった中東の悲劇。戦争が起きれば、いつも悲惨な目にあうのは罪のない一般市民。ただただ心が痛みます。 

異常気象と地球温暖化、円安と物価高、そして少子化と人口減少は、日本が抱える最大の試練かもしれません。 

朝の配達を終え、自販機の缶コーヒーを飲みながら、ひと休みをしていると、散歩中のお年寄りから声をかけられました。「おはよう、いつもご苦労さま! 毎朝、読売新聞を楽しみにしているよ。寒くなるから風邪をひかないようにね…」。思わぬ激励にほっこりさせてもらった朝でした。 

「憧れるのをやめましょう」、「生成AI」、「闇バイト」など多くの流行語が生まれた令和五年でしたが、何といっても「アレ」、阪神タイガース三十八年ぶりの日本一が、めでたく今年を締めてくれました。巨人ファンとして少し悔しいのですが、岡田阪神には「あっぱれ!」を差し上げます。 

三年に及ぶコロナ禍もやっと収束が見え、日々の暮らしも落ち着きを取り戻しつつあるようです。 

泣いたり笑ったりの令和五年も残りわずか。日頃のご愛顧に感謝し、新しい年が皆様にとりまして幸多い年となりますことをご祈念申し上げ、年の瀬の挨拶と致します。
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