入学シーズンに寄せて
2021.4
今年も入学シーズンがやってまいりました。小学校・中学校・高等学校と、今週は入学式を執り行う学校が多いようです。
思えばちょうど一年前のこの時期、新型コロナウイルスの感染拡大という未曾有の事態に見舞われ、大学も含めた多くの学校が卒業式・入学式を中止もしくは制限付きでの挙行を余儀なくされました。あれから一年、私たちは情報を得、知恵を絞り、様々な対応策を行ってきました。多くの人たちの努力と工夫で対策をしながら、今年は入学式を迎えることができます。
読売新聞オンラインの記事によると、昨年中止となった新入学生のために一年遅れの入学式を行っている大学もあるとか。そして今年は、東日本大震災から十年。当時も入学式を迎えることのできなかった学生がたくさんいました。気持ちの区切りともなる入学式、人生の中で当たり前のように迎えてこれた自分は恵まれていたのだと今さらながら実感しております。
なんとか散らずに粘ってくれている桜の花を探して近所を歩いてみると、自分の背中より大きいほどのランドセルを背負った子どもたちを見かけます。かと思うと今度は、肩幅や袖丈が大きめの真新しい制服に身を包んだ生徒さんとすれ違います。コロナ禍でマスク着用という違いはあるものの、今も昔も、その初々しさ、眩しさは変わらないものですね。
海外では珍しいと言われている入学式ですが、日本ではやはりこの時季の風物詩のひとつと言えるのではないでしょうか。最後の入学式から数えてもウン十年経過している自分さえも、何か始めてみたくなるような、そんなパワーをお裾分けしてもらえるような、不思議なシーズンです。
新入学生の皆さん、どうぞその成長著しい年頃である今、正しい情報を見極める力、やっていいことと悪いことを区別できる判断力などを存分に養っていってください。世の中では、天災だけでなく痛ましい事件も後を絶ちません。明日が少しでも良い方向へ向けば、そのまた明日も良い方向へ…少しずつでも前へ進められたなら、未来はきっと明るいものとなるでしょう。新しい環境へ一歩踏み出す皆さんの未来が、輝かしいものとなりますよう心よりお祈り申し上げます。
そして入学式を迎えるお子さんのお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、これまで支えてこられた周りの皆さん、ご入学おめでとうございます。
皆さんにとっても晴れの日ですね。お子さんたちに「おめでとう」と声を掛けるときは、是非ご自身にも「おめでとう」の言葉をお忘れなく。
あらためまして、この春ご入学の皆様、おめでとうございます。