春よこい

2022.早春

 立春から二十日余りが経っているとはいえ、窓から見える木々や草花は、まだ厳しかった冬の寒さに震えているようです。

 先日、自宅近くの公園に梅を観に行ってきました。あらゆる品種がところ狭しと植えられているのに花を咲かせているのはまだ半分ほど。それでも紅冬至や白加賀などが紅や白の花をつけ、その一枝に春を告げるウグイスを見つけ、何か得した気持ちになりました。冬の寒さに耐えて咲く梅の美しさは、芯の強い凜とした女性にもたとえられます。

 二月四日には冬季五輪が北京で開催されました。雪と氷の上を舞台に繰り広げられた祭典、日本の誇り高き若者たちの美しくも力強く佳麗な演技や競技に魅了された十七日間でした。さらに三月四日からはパラリンピックが行われます。いろいろ不協和音があった大会とはいえ、やはりスポーツの純粋さと選手のひたむきな姿は、私たちに感動と勇気を与えてくれます。

 ベランダの睡蓮鉢で元気に泳いでいたメダカたちは今、藻にもぐって冬眠中です。でももうすぐ大地の温みに誘われて動き出すことでしょう。春の足音が聞こえてくるようです。

 「自分たちの春は一体いつ来るんだろう」マスクを手離せない日々、三密に気を使い、不自由を強いられての二年間。やるせない気持ちが消えません。
 「そんなに悲観することはないよ。止まない雨はないんだから。今は辛い体験という修業をしていると思えばいい。必ず幸せな日が来るから。辛と幸はコインの裏と表なんだよ」老師に言われた言葉に「はっ」とさせられます。

 人は笑いが多いほど健康でいられると聞きます。こういう時だから
こそ、ちょっとした思いやりと優しさをもって毎日を暮らせたら
いいんでしょうね。
     梅一輪一輪ほどの暖かさ(嵐雪)

 本当の春はもうそこまで。時節柄どうぞご自愛されお過ごしください。

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