きょうは母の日

2021.5.9

 道端に咲く草花、石垣を割るようにしてたくましく茎をもたげる雑草に目を奪われます。すべてが躍動感あふれる季節となりました。でも季節の巡りとは裏腹に新型コロナウイルスの脅威は一向に衰えず、私たちは自由という翼を半分もぎ取られ、芽ばえる不安やいらいら感がささくれ気味の心に刺さってくるようです。

 少し深刻になってしまいましたね。気分を変えていきます。今、私の前をあどけない保育園児が十数人、手をつなぎながら通り過ぎていきました。先生と話をしている子、歌をうたっている子、中には泣いている子もいます。そして先生の言いつけを守り黙々と横断歩道を渡っていきました。きっとこの子達、夜は遊び疲れてお母さんの胸でぐっすり眠ってしまうんでしょうね。皆、日本の将来を担う宝物ばかりです。「たくさん食べて早く大きくなれよ」思わずつぶやいていました。彼らのためにもしっかり社会をつないでいかなくては。

 皆さんは『母親』という言葉からどんなイメージをお持ちですか。「心の拠り所」、「無償の愛」、「苦労・苦労」、「怖い女(ひと)」とおっしゃる方もおられるようです。

 嫁と姑、親と子、この永遠の課題を、亡くなられた橋田壽賀子さんはユーモアとペーソスを交えながら見事なドラマに仕立て上げています。世間が豊かさと自由を享受し、それぞれが自我をぶつけ合うと新たな家族戦争に発展していく。いつの間にか自分のことに置きかえ見入ってしまいました。橋田作品のテーマは家族。どこにでもある家庭に起こる様々な事件や揉めごとを取り上げる。そして主役は女性、それも母親です。父親では捌けないトラブル、最後はお母さんの女らしい強さや優しさが決め手となります。

 何かと気分が晴れない日が続きますが、最近三人のアスリートの快挙には本当に励まされました。池江璃花子選手の奇跡の東京五輪出場、照ノ富士関の序二段陥落からの不屈の大関復帰、そして松山英樹選手のマスターズ制覇です。三人には大あっぱれを差し上げましょう。長いトンネルを抜け出た池江選手の大粒の涙が美しくて忘れられません。

 きょうは母の日。さわやかな五月の空だからこそ、さわやかな気持ちで伝えたいと思います。

 「おふくろ!  母さん!  ママ!  いつもありがとう。いつまでも元気でね」

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